保育士は副業OK?公立・私立保育園の場合
保育士の給料は、他の職種に比べて低い傾向があり、副業を考えている保育士の方もいるでしょう。
「保育士は副業をしても大丈夫なの?」という疑問について、公立保育園と私立保育園の場合に分けて解説します。
公立保育園の場合:原則禁止、許可が必要
公立保育園で働く保育士は、地方公務員です。
地方公務員は、法律(地方公務員法)で副業が原則禁止されています。
これは、公務員が特定の企業や団体と癒着したり、職務に専念できなくなったりすることを防ぐためです。しかし、例外的に副業が許可される場合もあります。例えば、
- 家業の手伝い
- 不動産賃貸
- 講演活動
- 執筆活動
など、公益性が高いと判断される場合や、職務に支障がないと判断される場合は、許可を得て副業を行うことができます。
副業の許可を得るためには、所属長(園長など)に申請し、許可を得る必要があります。
申請の際には、
- 副業の内容
- 副業を行う時間
- 副業によって得られる収入
などを具体的に説明する必要があります。
無許可で副業を行うと、懲戒処分の対象となる可能性がありますので、注意が必要です。
公立保育園で働く保育士が副業を検討する場合は、必ず事前に所属長に相談し、許可を得るようにしましょう。
私立保育園の場合:園の就業規則による
私立保育園で働く保育士の副業は、園の就業規則によって異なります。就業規則で副業が禁止されている場合は、副業をすることはできません。就業規則で副業が許可されている場合でも、事前に園長の許可を得る必要がある場合や、副業の内容に制限がある場合があります。まずは、自分が勤めている保育園の就業規則を確認しましょう。就業規則に副業に関する規定がない場合は、園長に確認してみましょう。
近年では、副業を認める企業が増えてきており、私立保育園でも副業を許可する園が増加傾向にあります。
しかし、副業を認めるかどうかは、園の経営方針や考え方によって異なります。
就業規則で禁止されている場合の注意点
就業規則で副業が禁止されているにも関わらず、無許可で副業を行うと、最悪の場合、懲戒解雇となる可能性があります。
就業規則は、雇用契約の一部であり、違反した場合は、雇用契約違反となるためです。
就業規則で副業が禁止されている場合は、副業を諦めるか、転職を検討しましょう。
どうしても副業をしたい場合は、園長に相談し、許可を得るようにしましょう。
保育士が副業をするかどうかは、勤務先の規定や自身の状況によって異なります。公立保育園の場合は原則禁止、私立保育園の場合は園の就業規則を確認し、不明な場合は必ず園長に相談しましょう。無許可で副業を行うことは、トラブルの原因となりますので、絶対に避けましょう。
保育士におすすめの副業|在宅、土日OKなど
保育士の仕事は、体力勝負であり、精神的な負担も大きい仕事です。そのため、副業をする場合は、本業に支障が出ない範囲で、無理なく続けられるものを選ぶことが大切です。この章では、保育士におすすめの副業を、保育士資格や経験を活かせる副業、在宅でできる副業、土日OKの副業に分けて紹介します。
保育士資格や経験を活かせる副業
保育士資格や経験を活かせる副業は、本業との相乗効果が期待でき、スキルアップにもつながります。また、子どもと関わる仕事が好きな方にとっては、やりがいを感じられる副業です。
- ベビーシッター: ベビーシッターは、依頼者の自宅で子どもを預かり、保育を行う仕事です。保育士資格や経験を活かせる代表的な副業です。時給も比較的高く、自分の都合に合わせて働くことができます。
- チャイルドマインダー: チャイルドマインダーは、少人数の子どもを預かり、家庭的な環境で保育を行う仕事です。保育士資格や経験があれば、有利になります。ベビーシッターと同様に、時給も比較的高く、自分の都合に合わせて働くことができます。
- 家庭教師: 家庭教師は、子どもの自宅で学習指導を行う仕事です。幼児や小学生を対象に、英語やピアノなどを教える仕事もあります。保育士資格や経験があれば、子どもとの接し方や、教え方のコツを掴んでいるため、有利になります。
- オンライン家庭教師: オンライン家庭教師は、インターネットを通じて、子どもの学習指導を行う仕事です。自宅でできるため、時間や場所にとらわれずに働くことができます。近年、需要が高まっている副業の一つです。
- 学習塾の先生: 学習塾の先生は、子どもたちに勉強を教える仕事です。幼児や小学生を対象とした学習塾では、保育士資格や経験が活かせる場合があります。
- 幼児教室の先生: 幼児教室の先生は、子どもたちに遊びや学びを提供する仕事です。英語やリトミック、体操など、さまざまな種類の幼児教室があります。保育士資格や経験があれば、有利になります。
- 子育て相談: 子育て相談は、保護者からの子育てに関する相談に乗る仕事です。保育士としての経験や知識を活かして、保護者の悩みに寄り添い、アドバイスをすることができます。オンラインや電話での相談も可能です。
これらの副業は、保育士資格や経験を活かせるため、比較的始めやすいでしょう。また、本業との関連性が高いため、スキルアップにもつながります。
在宅でできる副業
在宅でできる副業は、通勤時間がなく、自分のペースで仕事ができるのが魅力です。保育士の仕事は、体力勝負の面もあるため、在宅でできる副業は、体力的な負担を軽減することができます。また、家事や育児との両立もしやすいでしょう。
- Webライター: Webライターは、Webサイトの記事やコンテンツを作成する仕事です。保育や子育てに関する記事など、保育士の経験や知識を活かせるテーマもたくさんあります。パソコンとインターネット環境があれば、自宅で好きな時間に仕事ができます。
- ブログ運営: ブログ運営は、自分のブログに記事を書き、広告収入を得る仕事です。保育や子育てに関する情報を発信したり、自分の保育士としての経験談を書いたりすることで、読者を集めることができます。ブログ運営は、すぐに収入を得られるわけではありませんが、軌道に乗れば、安定した収入を得られる可能性があります。
- データ入力: データ入力は、企業から依頼されたデータをパソコンに入力する仕事です。特別なスキルは必要なく、パソコンの基本操作ができれば誰でも始められます。自宅で好きな時間に仕事ができるため、保育士の仕事と両立しやすいでしょう。
- オンライン秘書: オンライン秘書は、企業の事務作業や経理、人事、Webサイトの更新など、さまざまな業務をオンラインで代行する仕事です。保育園の事務経験がある場合は、その経験を活かすことができます。
- ハンドメイド作品の販売: ハンドメイド作品の販売は、自分の作った作品をインターネット上で販売する仕事です。保育士の経験を活かして、子ども向けの小物や知育玩具などを作って販売するのも良いでしょう。
これらの副業は、自宅でできるため、通勤時間がなく、自分のペースで仕事ができます。保育士の仕事で疲れている時でも、無理なく続けることができるでしょう。
土日OKの副業
保育士の休日に合わせて、土日だけできる副業もあります。
例えば、
- イベントスタッフ
- 結婚式場のスタッフ
- 試験監督
- 単発のアルバイト
などがあります。
これらの副業は、普段とは違う環境で働くことができるため、気分転換にもなります。
ただし、体力的に負担がかかる場合もあるため、無理のない範囲で働くようにしましょう。
保育士におすすめの副業は、たくさんあります。自分のライフスタイルやスキル、興味関心に合わせて、最適な副業を選びましょう。副業をすることで、収入アップだけでなく、スキルアップや気分転換にもつながります。
保育士が副業をする際の注意点
保育士が副業をする際には、いくつか注意すべき点があります。副業を始める前に、必ず確認しておきましょう。この章では、保育士が副業をする際の注意点について解説します。
注意点1:就業規則の確認
保育士が副業をする際に、最も重要なのは、勤務先の就業規則を確認することです。私立保育園の場合は、園によって副業に関する規定が異なります。副業を全面的に禁止している園もあれば、許可制にしている園、制限付きで許可している園など、さまざまです。就業規則で副業が禁止されているにも関わらず、無許可で副業を行うと、最悪の場合、懲戒解雇となる可能性もあります。必ず就業規則を確認し、不明な点がある場合は、園長や担当者に確認しましょう。公立保育園の場合は、地方公務員法で副業が原則禁止されています。副業をする場合は、必ず事前に許可を得る必要があります。
就業規則を確認する際は、
- 副業が全面的に禁止されていないか
- 副業をする際に許可が必要か
- 副業の種類や時間に制限があるか
などを確認しましょう。
注意点2:本業に支障が出ない範囲で
副業をする場合は、本業である保育士の仕事に支障が出ない範囲で行うことが大切です。副業に時間を使いすぎて、睡眠不足になったり、体調を崩したりしてしまっては、本末転倒です。また、副業の疲れが残った状態で保育をすると、子どもたちに十分な保育を提供できない可能性があります。副業をする際は、時間管理を徹底し、無理のない範囲で行うようにしましょう。例えば、
- 副業は週に1回、数時間程度にする
- 休日に副業をする
- 在宅でできる副業を選ぶ
など、自分に合った方法で、本業に支障が出ないように工夫しましょう。
体調管理も重要です。
睡眠時間をしっかり確保し、バランスの取れた食事を摂るように心がけましょう。
注意点3:確定申告が必要な場合も
副業で一定以上の収入を得た場合、確定申告が必要になる場合があります。確定申告とは、1年間の所得を計算し、所得税を納付する手続きのことです。副業の所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になります。確定申告の期間は、毎年2月16日から3月15日頃までです。確定申告を忘れると、加算税や延滞税などのペナルティが課される場合がありますので、注意が必要です。確定申告の方法がわからない場合は、税務署に相談するか、税理士に依頼しましょう。
副業の収入が20万円以下の場合でも、住民税の申告が必要な場合があります。
詳しくはお住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。
注意点4: 秘密保持義務
保育士には、守秘義務があります。
これは、保育士の仕事を通して知り得た子どもや保護者の個人情報、保育園の内部情報などを、外部に漏らしてはいけないという義務です。
副業をする際にも、この守秘義務を守る必要があります。
例えば、
- 副業中に、保育園の子どもや保護者の個人情報を話す
- SNSなどに、保育園の内部情報を書き込む
などは、守秘義務違反にあたります。
副業の種類によっては、保育士の仕事と関連性が高いものもあります。
そのような場合は、特に注意が必要です。
副業で得た情報を、本業で利用したり、その逆もまた然りです。
情報管理には十分注意しましょう。
保育士が副業をする際には、これらの注意点を守り、本業に支障が出ないように、無理のない範囲で行うようにしましょう。また、副業を始める前に、必ず勤務先の就業規則を確認し、不明な点がある場合は、園長や担当者に相談するようにしましょう。
保育士が副業で得られるメリット
保育士が副業をすることには、収入アップ以外にもさまざまなメリットがあります。本業だけでは得られない経験やスキルを習得できたり、気分転換になったり、視野が広がったりと、副業を通して得られるものはたくさんあります。この章では、保育士が副業で得られるメリットについて解説します。
収入アップ
保育士が副業をする最も大きなメリットは、収入アップです。
保育士の給料は、他の職種に比べて低い傾向があります。
副業をすることで、収入を増やし、経済的なゆとりを持つことができます。
増えた収入で、
- 貯蓄を増やす
- 趣味や娯楽を楽しむ
- 自己投資(スキルアップのための学習など)をする
- 家族との時間を充実させる
など、生活の質を向上させることができます。
スキルアップ
保育士が副業をすることで、本業だけでは得られないスキルアップの機会を得ることができます。
例えば、ベビーシッターの副業をすることで、より個別的な保育スキルを磨くことができます。
また、Webライターの副業をすることで、文章力や情報収集能力を高めることができます。
これらのスキルは、本業である保育士の仕事にも活かすことができます。
副業を通して、保育士としての専門性を高めるだけでなく、
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- 時間管理能力
など、さまざまなスキルを習得することができます。
これらのスキルは、保育士としてのキャリアアップにもつながります。
気分転換
保育士の仕事は、やりがいがある一方で、体力的にハードで、精神的な負担も大きい仕事です。
毎日同じ業務の繰り返しで、マンネリ化してしまうこともあるでしょう。
副業をすることで、本業とは異なる環境で、新たな刺激を受けることができ、気分転換になります。
例えば、
- 普段とは違うタイプの人と出会える
- 新しい知識やスキルを習得できる
- 自分の得意なことや好きなことを活かせる
など、副業を通して、新たな発見や出会いがあるかもしれません。
気分転換をすることで、心身ともにリフレッシュでき、本業へのモチベーションも高まります。
視野が広がる
保育士が副業をすることで、視野が広がり、多様な価値観に触れることができます。
保育園という限られた世界だけでなく、さまざまな業界や職種の人々と関わることで、新たな知識や考え方を学ぶことができます。
また、副業を通して、社会の仕組みや経済の動きなどを知ることもできます。
視野が広がることで、
- 保育士としての仕事に対する新たな視点を得られる
- 子どもたちへの教育に活かせる
- 将来のキャリアプランを考える上で役立つ
などのメリットがあります。
保育士が副業をすることには、収入アップだけでなく、スキルアップ、気分転換、視野が広がるなど、さまざまなメリットがあります。本業に支障が出ない範囲で、自分に合った副業を見つけ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。副業を通して、保育士としての仕事がより充実したものになるかもしれません。
保育士の副業に関するよくある質問
保育士の副業に関して、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。副業を始める前に、疑問や不安を解消しておきましょう。
Q: 副業がバレたらどうなる?
A: 副業がバレた場合の対応は、勤務先の就業規則によって異なります。
公立保育園の場合は、地方公務員法で副業が原則禁止されているため、無許可で副業を行うと、懲戒処分の対象となる可能性があります。
私立保育園の場合は、園の就業規則によりますが、副業を禁止している場合は、注意や減給、最悪の場合は懲戒解雇となる可能性もあります。
副業がバレる主なケースとしては、
- 住民税の金額が変わることで、職場に通知が行く
- 同僚や保護者に話してしまい、そこから広まる
- SNSなどへの投稿
などが考えられます。
副業をする際は、必ず事前に勤務先の就業規則を確認し、許可が必要な場合は、必ず許可を得てから行うようにしましょう。
また、副業をしていることを、職場の人に話したり、SNSに投稿したりすることは、避けた方が良いでしょう。
Q: 副業でどれくらい稼げる?
A: 副業でどれくらい稼げるかは、副業の種類や、働く時間、スキルなどによって大きく異なります。
例えば、ベビーシッターやチャイルドマインダーなどの副業は、時給1,000円~2,000円程度が相場です。
Webライターやデータ入力などの在宅ワークは、成果報酬制の場合が多く、スキルや経験によって収入が大きく変動します。
副業で稼げる金額は、あくまでも目安です。
自分のスキルや経験、かけられる時間などを考慮して、無理のない範囲で副業を選びましょう。
また、副業で得た収入は、確定申告が必要になる場合があります。
副業の所得が年間20万円を超える場合は、確定申告が必要になりますので、注意しましょう。
保育士の副業に関する疑問や不安は、これらのQ&Aで少しは解消されたでしょうか?保育士が副業をする際には、勤務先の就業規則を確認し、本業に支障が出ない範囲で、無理なく行うことが大切です。副業を通して、収入アップやスキルアップ、気分転換など、さまざまなメリットを得ることができます。自分に合った副業を見つけ、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。